祢地山の田ノ神
「これが純粋の田ノ神像といってよい程、よくまとまった彫刻で、田ノ神像の代表的なものである。頭に大きなしき(米を蒸す時せい籠の中にしくもの)を被り、着物に股引の農夫姿である。右手にしゃもじを持ち、左手に扇子を持っている。
背面には、奉寄進を中心にし、両側に『寛政二年 戌四月八日』と彫ってある。
後姿を少し離れて眺めると、男の持ち物そっくりで、性を意味している。稲の花は、雄しべ、雌しべがなければ、実らないことから、そして江戸時代は男性中心の社会であったから、男根を考えたのであろう。
他の田ノ神像も同じであるが、田んぼのよく見える少し高い位置にあり、しかも道路脇で人家も近い場所にある。」
薩摩川内市教育委員会
平成9年3月1日建立
昭和62年1月10日 市指定文化財 |