倉野磨崖仏

2021.01.02

薩摩川内市樋脇町倉野




倉野磨崖仏 薩摩川内市指定文化財
「倉野は、入来院初代地頭渋谷定心の五男、範もと(別名倉野荒六)が建長二年(1250)から治めた地です。
 倉野氏がこの他に創建した瑞泉庵では、特に高度な仏教研究が行われていたことが、この麿崖仏の梵字群によって明らかです。麿崖仏は梵字17、陽刻仏像1、五輪塔3、外仏種子等からなっています。
 この梵字群は、文保二年(1318)九月五日、寂円坊が亡き親の供養と共に村人の平安を祈願したものです。
 この中で最も注目されるのは中央月輪中に刻まれているオーンクです。梵字を刻むことは仏像を彫ることと同じ意味で、全国至る所にありますが、このオーンクの文字は、日本に(世界にも)ただ一つしかない珍しい文字です。当時、金剛界・胎蔵界両部不二の大日如来を表す文字として、密教の最高尊を表現しようとして工夫創作された真に貴重な文字です。
 このオーンク一字だけでも、鎌倉末期という早い時代に倉野で、高級深淵な仏教哲学研究が行われており、中央に劣らない高度な文化があったかを窺い知ることができます。」

平成18年9月
川内第一ライオンズクラブ
樋脇・市比野ライオンズクラブ
林が切り払ってあります

六地蔵塔

塔身

龕部

磨崖仏

石造物

南西側の梵字