宮内の田の神 県指定 民俗文化財
「田の神像は旧薩摩藩の領内にのみ見られる南九州独特の神さまといわれています。米麦などの五穀豊穣(豊作)をもたらす神さまです。
田の神は、春の農耕が始まるころ、山より里へ下り、秋の取り入れが済むと再び山へ帰るものと信じられています。
神宮のお田植え祭では、この前に祭壇が作られ、田の神舞が舞われ、神田に早苗が植えられます。
この田の神像は高さが八十三センチあり、顔は田の神舞の翁面に似ています。大きなシキ(蒸しものをするとき蒸し器の下に敷く)を頭にかむり、右手にシャモジをかざし、左手には飯椀を持っています。食糧生産に関係のあることを示しています。
一般の素朴な田の神像と違い、この田の神像は全体に動きがあり、まさに田の神舞を舞おうとしているかのように作られています。
背面に 奉寄進 天明元辛丑天九月吉日 正八幡宮 田神 沢五納右衛門 と彫られています。西暦一七八一年、今から約二百年前の田の神像です。」 昭和四十三年三月二十九日指定
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