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相之浦(東塩屋の海運業)
「東シナ海に面し、硫黄島や遠く屋久島まで望め、河口を利用し陸地へ深く切れ込んだこの港は、相之浦・藍之浦・逢之浦・饗之浦などいくつかの表記を持つ江戸から明治にかけて海上交易で栄えた港です。 わずか4Km余りの知覧町海岸には、古くから交易のあったことを示す史跡が多く残されています。港の岩をくり貫いて、もやい綱を結びつけるための「めくい」、13世紀からの貿易陶磁器の散布地、海運の繁栄を思わせる蔵の並ぶ町並み、交易船の往来を管理した浦役所跡、琉球から伝えられた石敢當、船から荷を揚げるために岩場を掘り下げた掘り割りなどがそうです。 東塩屋で1月3日に歌われる「乗り初め歌」は、中世からの「御船歌」の影響がうかがえるとか、平安時代に僧俊寛が鬼界ケ島(現在の硫黄島)に流された逢之湊は、この湊ではないかという興味深い意見もあります。」 |