蓬原中野笠塔婆と無縫塔

2012.07.29

志布志市有明町蓬原(ふつはら) 中野




蓬原中野笠塔婆と無縫塔 志布志市指定文化財
「『蓬原のあんだどん』とも呼ばれています。元は別の場所にありましたが、集落の近くに真中寺という寺があったと伝えられていることから、その寺に関係する石造物と思われます。
笠塔婆一基
 板石型の長い塔身と笠・宝珠からできている石塔です。表面に阿弥陀三尊【弥陀(キリーク)・観音(サ)・勢至(サク)】の梵字が墨書され、その下部に「奉・・」の文字、側面に(バン)の梵字と、裏面に阿弥陀座像が刻まれています。その他多くの墨書がみられますが風化して判別が困難です。建立された時期も不明です。
無縫塔一基
 表面に『安永九年天 四月十二日大僧都長覚士』の刻字がみられます(178年)。無縫塔は、台座の上に卵形の塔身を載せた石塔で卵塔ともいいます。主に禅宗の墓などに用います。
五輪塔一基
 火輪の形状から戦国時代末期のものと思われます。五輪塔は胎蔵界大日如来の三昧耶形として、密教の五大思想(空・風・火・水・地)を一つの塔形に表現したものです。
 その他、空・風輪の残欠もみられます。」

志布志市教育委員会
県道513号線沿いの石塔群