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三見
2006.07.16

山口県萩市三見(さんみ)字梅ノ木
国登録有形文化財

床並川
橋長:21.4m
橋幅:3.4m
径間:16.4m
環厚:39cm
架設:大正3年(1914)





三見橋 国登録有形文化財
「藩政時代、萩から赤間関(下関)へ通ずる幹道の1つ赤間関街道北(浦)道筋で、三見床並地区から鎖坂峠(鎖峠)は山間の急勾配や曲がりの多い交通の難所であり、人馬道程の機能でしかなかった。維新以降の近代化に向け、産業経済発展のためには交通の利便向上が不可欠であったため、県下各地で道路の改修が行われ、萩−小串間の改修では、萩町より三隅村宗頭間を第23号仮定県道として、三見地区は明治23年に着手、明治26年にこれを完了した。この時、床並梅ノ木の三見川に道橋土橋が建設され、大正3年にこれを現在の石造アーチ型の石橋に改築したのが国登録有形文化財である三見橋である。
 長さ21.4m、幅3.4m(各親柱間)、径間54尺(16.4m)、川水面よりの高さ約13.5mの単一アーチ型で、コンクリートの基礎の両脚上に、32段の迫石を各々積み上げ、中央で少し大きい要石を打ち込んでアーチの構造を固定している。迫石の石材は萩地方の安山岩の火山岩を使用している。石橋としての眼鏡橋は、九州地方では歴史も古く多く見られるが、山口県内では非常に珍しい大規模な石橋となっている。
 路線はその後、昭和25年、県道から島根県益田市と山口県下関市とを結ぶ2級国道に格上げされ、更に同38年、国道整備事業として道路幅を2車線に拡幅するに当たり、床並地区では南側の山をえぐり現在の191号に改修された。このため床並地区の旧道の約3.3Kmは市道(三見市鎖峠線)に格下げされ、現在は床並地区住民の生活道として機能している。こうして三見橋は図らずも貴重な文化財としても将来へ保存継承が約束される幸運を得たのである。
 山間の谷間を大きく跨いだ全景は、殊にアーチの曲線美が印象的で、かつ堂々たる威風を誇っている。建築年代こそ新しいものの、近代化遺産として将来へ継承すべき貴重な石造建築物であろう。」
下流側

左岸側から右岸側

上流側

輪石・壁石

上部
以上 2006.07.16撮影


3年3ヶ月ぶりの訪問

右岸側

上流左岸側から
以上 2009.10.25撮影