柿木庚申堂
2016.01.01

宇和島市祝森 柿の木




柿ノ木庚申堂
「この庚申堂のある地点(宇和島市祝森柿ノ木)は、かつての宿毛街道中道と灘道が合流する交通の要地でした。
 伊予宇和島と土佐宿毛を結ぶ宿毛街道には、西寄り海沿いの『灘道』、真ん中の『中道』、東寄りで篠山(1065m)を越える『篠山道』の三ルートがあり、遍路道もほぼこれに重なっていました。江戸時代初期には、ここから南方の岩淵(宇和島市津島町岩淵)で分岐(合流)していたのですが、江戸時代中期に北宇和郡岩松が経済発展するにつれ、灘道は松尾峠を経て宇和島城下と直結するようになり、この庚申堂前で中道と分岐するようになりました。
 庚申堂は、古くは中国道教に由来すると言われますが、六〇日毎にめぐってくる庚申の日に徹夜をして神仏を祀り災厄を避けるという民間信仰に基づくものです。柿ノ木庚申堂では弘法大師由来の伝承による青面金剛が本尊とされており、猿がその使いとされます。
 当地(宇和島市祝森清水)に明治時代まであった表具所では、遍路土産に木版仏絵を販売していたとのことで、その中の一つとして庚申の絵柄のものもあり、青面金剛と琴を刻した木版が現在も個人蔵で伝わっています。」

平成二十四年 宇和島市教育委員会
いやし博へんろ道ウォーク実施委員会
柿ノ木庚申堂、この地方では庚申関係にはあまり出会いません

お堂の入口上部に木造の三猿と二鶏

お堂内部