祇園大樋
「祇園大樋は旭川下流の左岸平野をうるおす古田樋尻川用水・新田用水・後楽園用水の五双からなる分水樋門の総称である。各樋門はいづれも長大で、樋板をしめると内部には昼間でも光が届かず、真暗闇となるところから地獄樋とも呼ばれている。
この大樋は元禄五年(1692)に津田永忠が沖新田を開発したとき、灌漑用水の確保をはかるため築造したものと推定されているが、五双の樋門はその後たびたび改修されながら今日に引き継がれてきた。そのうち古田樋尻川用水の西樋(東から二番目の樋門)の一部については築造以来まったく改修の手が加えられておらず、築造に当った石工の技術水準の高さを示す堅牢・精緻な石普請のあとをよくとどめていた。このため、このたびの改修工事にあたって、その一部をここに移築、復元し、後世にこれを伝えるとともに、築造当時の土木技術・石工技術をしのぶよすがとするものである。」
岡山地方振興局
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