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小中尾
(仮称)
2005.05.28

延岡市北方町藤の木 小中尾(こなかお)

柚の木谷川
橋長:14.0m
橋幅:下幅9.3m 上幅4.5m
径間:8.4m
拱矢:6.39m
環厚:35cm
輪石:55列
架設:昭和30年代(近くに住んでいる方の証言)

小原橋から市道を北へ1.2Kmのところに架かっています



 今日は藤ノ木上橋から「岩屋ヶ平」方面の標識に従って町道を北上。途中、小中尾〜大中尾方面を捜索し、柚の木谷川沿いに、多分小原橋のところに出ると思われる町道を南下しました
 この上部の様子を見たとき、石橋と確信。お神酒をあげ、左手のガードレールを乗り越え、下に降りて行きました

見事な輪石が見えたときには、感動しました

右岸側
下幅9.3m 上幅4.5mとかなりの差があります
この大型の石橋を環厚35cmという比較的小型の石を使い、55列の輪石で支えています

要石部

上流側

下流側
以上 2005.05.28撮影


 2年5ヶ月ぶりの訪問でした
 この橋は2005年5月に見つけたものですが、探索に向かう前に立ち寄った延岡市の永田橋が撤去されており、落胆のあまり引き返そうかとも思いました。気を取り直し予定通り探索を続けた結果、小中尾橋、小原上橋、文吉橋と1日に3基も発見し、永田橋撤去の見返りだったとも思える思い出深い日でした。

 よく観察すると新たな発見がありました。径間8.4m、拱矢6.1mなので拱矢比は0.73という縦長な形状です。
断面は極端な台形ですが、側面から見ると馬蹄形なのです
 普通の馬蹄形の石橋は垂直に基礎石を積み、その上にアーチを組んでいきます
この橋の場合は、川床のコンクリート基礎の上から直接アーチが組んでありますが、約1.9m部分までは垂直に立ち上がり、そこからアーチを描いています。

 勾配を調べると3分勾配、高さ6.1mの横ブレを支えるための末広がりで、通潤橋で例えれば鞘石垣の役割を果たしているのでしょう

下流側
以上 2007.11.04撮影



 NHKの「熱中時間−忙中趣味あり−」収録最終週は、いよいよ新規探索です。ここで新規が見つかると番組的にも盛り上がるのですが、さて当方には大きなプレッシャーがかかっています。ディレクター氏からは前もって探すことをきつく禁じられており、見つからなくても石橋巡りの楽しみが伝えられればいいというディレクター氏の意気に感じ、神にもすがるような気持ちでいかに発見の確率を上げるかに集中。しかし、この2日間でピンポイントにその場所にたどり着くことがいかに難しいかということは言うまでもありません
 初日は予定変更で再び小中尾橋で収録したいとのことで2週間ぶりの訪問


光の具合も少し違います

内部は水面から反射する光を浴びています

上流側
以上 2007.11.18撮影



5年5ヶ月ぶりの訪問
小中尾に住んでいる人に聞き込み調査の結果、昭和30年代初期に架設されたことが判明

下流側

下流側

右岸側

左岸側

拱頂部

上流側

上流側

上流左岸側に残された石積みの橋台、ここには昔木橋が架かっていたそうです
以上 2013.04.13撮影