丸池さいらい橋
2010.02.20
橋長：7.86m
橋幅：5.43m
「橋を造る目的
湧水町を縦断する肥薩線には、近代化産業遺産に選定された、丸池湧水暗渠をはじめとする14基もの煉瓦アーチ構造物が今も現役で活躍しています。また、湧水町には全国でも珍しい3つの日本百選（名水百選、棚田百選、疎水百選）の認定を受けている環境に優れた町です。
湧水町では、これらの煉瓦アーチ構造物を町のシンボル的な存在とし、町の優れた環境にふさわしい、地球環境に配慮した特色あるまちづくりを進めるため、町の各家庭から出されたゴミを原料とするリサイクル煉瓦を使ったアーチ構造物を建設することにしました。
橋ができるまで
“丸池さいらい橋”のような煉瓦や石などをアーチ状に積み上げて造る橋は、その安全性を裏付ける基準書がないため、今回は実験を行い、安全性を確認しました。
橋と橋の上に載る自動車等の重さに耐えられるように、橋の下には鋼管の杭を打ち込み、煉瓦アーチを支えるコンクリートの土台を造ります。次に、煉瓦をアーチ状に積み上げるための支保工を置き、アーチ部の煉瓦を積み上げ、支保工を取り除けば、アーチ部の完成です。さらに、壁部の煉瓦を橋面（路面）の高さまで積み上げ、アーチ部と壁部で造られた空間にゴミ焼却灰溶融スラグとシラスを混ぜた土を詰めます。最後に橋面に煉瓦を張り、転落防止のための高欄を取り付けた橋の完成です
このように大きな荷重に耐えられる本格的な煉瓦アーチ橋の建設は全国的にも初めての試みです。」
