弘善寺の庚申塔

2012.03.10


北九州市八幡西区穴生2丁目




庚申塔(こうしんとう)
「中国の民問信仰である道教に干支と結びついた教えがあります。その一つが庚申(かのえさる)で、六十年あるいは六十日ごとにめぐって来る庚申の夜は、人問の中に住みついている三尸の虫が、眠っている人問の体からそっと抜け出して天に昇り、天帝にその人間の今迄に犯した罪過を告げると、天帝は罪の軽重によって人問を病気にしたり、寿命を縮めたりするという信仰であります。
 平安時代に日本に伝わり、江戸時代には仏教や神道あるいは日本固有の民問信仰が習合し、庚申講とか庚申待、庚申様といった講が広く行われるようになりました。
 ここ穴生では、旧暦二月七日を庚申様の日として『積もる話は庚申様の夜に』ということで出銭や米を切り、座をもうけ夜通し飲み、食い、話に花を咲かせる習慣がありました。
 この信仰の記念として各地に庚申塔(石碑)が建立されています。
 穴生にも享保十五年(一七三〇年)『おおよそ現在地』に建立されました。地域のお宮やお寺のほかでは一番古い石碑であります。
 最近、この石碑の風化劣化が著しく、表面剥離の進行で文字の一部分が欠落するなど放置すれば崩壊の恐れもあるので対策の検討を進めていたところ、有志の方の支援によりこの度補修復元しました。」

一九九九年十月吉日
穴生公民館郷土史委員会
寄贈正栄建装株式会社
弘善寺の境内

庚申塔

享保十五年(1730)