大雄賓殿
うきは市指定文化財
「この大雄賓殿は、貞亨四年(1687)に博多の名刹聖福寺より移築されたもので、320年以上を経た風雪にも耐え、いまだ法統を今日に伝えている。建築様式は、五間半四方(約98平米)の瓦葺二層建てで豪壮な仏殿である。
本殿の本尊は薬師如来で、その歴史は古く天平三年(731)行基法師(日本初の大僧正・聖武天皇より大菩薩の戒を受けた高僧)在任中の作と伝えられている。
なお、本殿内に安置されている賓頭盧尊者木像は、国内三体の一体といわれ、奇瑞多く、当時、九州各地より多くの参拝者をあつめていたと謂われている。
また同じ本殿の十二神将は、永禄・天正の戦乱で焼失後、天和二年(1682)頃再現したもので、京都四条下町東洞院の、長慶なる仏師の作と伝えられている。
ちなみに、十二神将とは、薬師如来の十二眷族(親族)を指し、十二支に配当され、本地として弥勒・大勢至・阿弥陀・観世音・摩利支・虚空蔵・地蔵・文殊・薬師・普賢・金剛手・釈迦などを称している。
本殿正面“大雄賓殿”の額は、名僧即非の筆蹟である。」 |