生立八幡宮
「生立八幡宮は養老7(723)年、時の豊前国司・宇奴首男人が創建したと伝える古社で、仲津郡(犀川・豊津・行橋の一部)第一の宗廟として郡内の人々の信仰を集める大社として知られます。
その八幡宮のご神体として永らくお祀りされてきたのがこの神像で、応永元年、時の地頭(領主)西郷高頼の発願により製作されました。像内の銘文により、もともとあった神像が壊れたのを機に、作り替えられたものであることがわかります。
像は榧の寄木造で顔は黒漆地に金箔押、体には胡粉描の団花文袈裟をまとい、神であるのに凛とした青年層の姿に表わされています。これは八幡神がいち早く仏教に帰依した歴史と、これにより増強された神徳を示していて、日本の精神文化(=神仏習合)を代表する造形とされています。
明治維新の際はこれが近代合理主義の妨げとしてやり玉に挙げられ全国で多くの仏神像が失われましたが、この像は幸いに難をのがれて現在に伝えられ、県下でも希少な八幡神像となっています。」 平成14年3月 福岡県 犀川町・犀川町教育委員会 |