福岡県指定文化財
「唐戸とは水門のことです。堀川は遠賀川と洞海湾を結ぶ人工の運河です。12年の歳月を費やして宝暦12年(1762)に完成しました。唐戸は堀川川口の水門でした。文化元年(1804)に堀川の川口は上流の楠橋村に変更され、そこにも全く同じ形態の唐戸が設置されました。寿命(じめ)の唐戸です。
遠賀川が増水すると、堀川下流域を水害から守るため、唐戸は閉鎖されます。遠賀川の水勢に耐えることができるように、唐戸は岩盤の地を選んで構築されています。堰戸も天井石の下は表戸と裏戸の二重構造になっています。天井石の上は溢水を防ぐための中戸です。正に独特の構造です。上家は堰板等の格納所です。
堀川は開通以来、多くの貢米船や石炭船で賑わいました。殊に明治時代には筑豊の石炭輸送の動脈として、多い年には年間10数万艘の川ひらた舟が堀川を下りました。」
中間市教育委員会 |